マンジャロが25%値下げ!2026年8月薬価改定で医療費はいくら安くなる?糖尿病専門医が解説
※この記事は保険診療(2型糖尿病)の薬価について解説しています。
マンジャロの薬価が25%安くなりました
そんなニュースをご覧になった方も多いのではないでしょうか。
2026年8月1日から、マンジャロ(チルゼパチド)は薬価改定により約25%値下げされました。
患者さんからも
本当に安くなるの?
毎月の医療費はいくら変わる?
治療を始めやすくなったの?
といった質問をいただいています。
今回は、薬価改定によって患者さんの自己負担がどれくらい変わるのかを、糖尿病専門医がわかりやすく解説します。
マンジャロ®(チルゼパチド)とは
田辺三菱製薬 HP より引用 (https://www.mt-pharma.co.jp/news/2023/MTPC230612.html)
「マンジャロ」というお薬の名前を聞いたことある人は多いかもしれません。
マンジャロ(チルゼパチド)は
2023年に発売された比較的新しい糖尿病治療薬であり
血糖値を改善するだけでなく、体重減少効果も期待できることから注目されています。
従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、
GIP/GLP-1受容体作動薬という新しいタイプの薬です。
食後に分泌される2種類のインクレチン(GIP・GLP-1)の働きを利用することで、
- 血糖値を改善する
- 食欲を抑える
- 胃から腸への食べ物の移動をゆっくりにする
- 体重減少をサポートする
といった作用があります。
現在、日本では
2.5mg・5mg・7.5mg・10mg・12.5mg・15mg
の6種類の用量があり、通常は2.5mgから開始し、
効果や副作用を確認しながら段階的に増量していきます。
また、GIPは
脂肪組織にも作用し、エネルギー代謝や脂肪代謝の改善に関与すると考えられています。
このような複数の作用により、
血糖改善だけでなく、体重減少効果も期待できることがマンジャロの大きな特徴です。
マンジャロが値下げされた理由
今回の値下げは、
「薬の効果が低かったから」
ではありません。
マンジャロは発売後、当初の予想を大きく上回る患者さんに使用されました。
そのため国の薬価制度に基づき、
市場拡大再算定(持続可能性特例価格調整)
の対象となり、薬価が約25%引き下げられました。
つまり、
多くの患者さんに使用されるようになったため薬価が見直された
ということです。
どれくらい安くなった?
マンジャロ薬価改定(2026年8月1日)月4本(約1か月分)
| 規格 | 旧薬価 | 新薬価 | 薬価差額 | 3割負担 | ▲3割軽減 | 2割負担 | ▲2割軽減 | 1割負担 | ▲1割軽減 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2.5mg | 7,696円 | 5,772円 | ▲1,924円 | 約1,732円 | ▲577円 | 約1,154円 | ▲385円 | 約577円 | ▲192円 |
| 5mg | 15,392円 | 11,544円 | ▲3,848円 | 約3,463円 | ▲1,154円 | 約2,309円 | ▲770円 | 約1,154円 | ▲385円 |
| 7.5mg | 23,088円 | 17,316円 | ▲5,772円 | 約5,195円 | ▲1,732円 | 約3,463円 | ▲1,154円 | 約1,732円 | ▲577円 |
| 10mg | 30,784円 | 23,088円 | ▲7,696円 | 約6,926円 | ▲2,309円 | 約4,618円 | ▲1,539円 | 約2,309円 | ▲770円 |
| 12.5mg | 38,480円 | 28,860円 | ▲9,620円 | 約8,658円 | ▲2,886円 | 約5,772円 | ▲1,924円 | 約2,886円 | ▲962円 |
| 15mg | 46,176円 | 34,632円 | ▲11,544円 | 約10,390円 | ▲3,463円 | 約6,926円 | ▲2,309円 | 約3,463円 | ▲1,154円 |
※薬価は2026年8月1日改定後(約25%引き下げ)。
※月4本(週1回投与×4週間)で計算。
※自己負担額は薬剤費のみの概算です。診察料・在宅自己注射指導管理料・注射針代などは含まれません。
- マンジャロ5mgでは、
3割負担では1か月(4回分)で約1,155円の負担軽減となります。
- マンジャロ10mgでは、
3割負担では1か月(4回分)約2,309円の負担軽減となります。
- マンジャロ15mgでは、
3割負担では1か月(4回分)約3,463円の負担軽減となります。
年間ではどれくらい変わる?
年間で52本使用すると
| 規格 | 旧薬価 | 新薬価 | 薬価差額 | 3割負担(年間) | ▲差額 | 2割負担(年間) | ▲差額 | 1割負担(年間) | ▲差額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2.5mg | 100,048円 | 75,036円 | ▲25,012円 | 22,511円 | ▲7,504円 | 15,007円 | ▲5,002円 | 7,504円 | ▲2,501円 |
| 5mg | 200,096円 | 150,072円 | ▲50,024円 | 45,022円 | ▲15,007円 | 30,014円 | ▲10,005円 | 15,007円 | ▲5,002円 |
| 7.5mg | 300,144円 | 225,108円 | ▲75,036円 | 67,532円 | ▲22,511円 | 45,022円 | ▲15,007円 | 22,511円 | ▲7,504円 |
| 10mg | 400,192円 | 300,144円 | ▲100,048円 | 90,043円 | ▲30,014円 | 60,029円 | ▲20,010円 | 30,014円 | ▲10,005円 |
| 12.5mg | 500,240円 | 375,180円 | ▲125,060円 | 112,554円 | ▲37,518円 | 75,036円 | ▲25,012円 | 37,518円 | ▲12,506円 |
| 15mg | 600,288円 | 450,216円 | ▲150,072円 | 135,065円 | ▲45,022円 | 90,043円 | ▲30,014円 | 45,022円 | ▲15,007円 |
※薬価は2026年8月1日改定後。
※年間52本(週1回×52週)で計算。
※自己負担額は薬剤費のみの概算です。
- マンジャロ5mgでは、
3割負担では1年間(52回分)で約15,007円の負担軽減となります。
- マンジャロ10mgでは、
3割負担では1年間(52回分)で約30,014円の負担軽減となります。
- マンジャロ15mgでは、
3割負担では1年間(52回分)で約45,022円の負担軽減となります。
長期治療では薬価改定の恩恵は決して小さくありません。
マンジャロとオゼンピックの違いは?
マンジャロは安くなったけれど、本当に効果も期待できるのでしょうか?
SURPASS-2試験は
マンジャロ(5mg・10mg・15mg)と
オゼンピック1mgを
直接比較した代表的な試験です。
どちらも週1回注射する糖尿病治療薬ですが、大きな違いは作用するホルモンの種類です。
オゼンピック®(セマグルチド)とは
オゼンピック(一般名:セマグルチド)は、
2020年に発売された週1回注射する糖尿病治療薬です。
GLP-1受容体作動薬という種類の薬で、
食後に分泌されるGLP-1というインクレチン(消化管ホルモン)の働きを補うことで、
- 血糖値を改善する
- インスリン分泌を促進する
- 食欲を抑える
- 胃から腸への食べ物の移動をゆっくりにする
といった作用があります。
現在、日本では
0.25mg・0.5mg・1.0mg
の3段階の用量があり、
通常は0.25mgから開始し、効果や副作用を確認しながら段階的に増量していきます。
SURPASS2の結果
結果は40週間で
| 薬剤 | HbA1c低下 | 体重減少 |
|---|---|---|
| オゼンピック1mg | −1.86% | −5.7kg |
| マンジャロ5mg | −2.01% | −7.6kg |
| マンジャロ10mg | −2.24% | −9.3kg |
| マンジャロ15mg | −2.30% | −11.2kg |
マンジャロ5㎎・10㎎・15㎎の用量でオゼンピック1mgより
HbA1c改善・体重減少ともに優れていました。
参考文献:
Juan.P et al. N Engl J Med 2021
薬価改定でさらに選択肢に
今回の薬価改定によって、
マンジャロ5mgの薬剤費はオゼンピック1mgとほぼ同程度になりました。
2026年8月時点の薬価では
| 薬剤 | 用量 | 薬価(1本) | 月4回 | 3割負担/月 |
|---|---|---|---|---|
| オゼンピック | 1mg | 約2,955円 | 約11,820円 | 約3,546円 |
| マンジャロ | 5mg | 2,886円 | 約11,544円 | 約3,463円 |
※マンジャロは2026年8月1日の薬価改定後。
以前は
マンジャロは高いから…
と感じていた方でも、
以前より治療を検討しやすい環境になったと言えます。
一方で、
治療薬は薬価だけで選ぶものではありません。
✅HbA1cの改善効果
✅体重減少効果
✅副作用
✅生活スタイル・使いやすさ
などを総合的に考えて選択することが重要です。
窓口で支払う金額も25%安くなる?
ここは少し注意が必要です。
今回25%下がったのは
「薬剤費」
であって、
薬局の窓口にお支払いする料金のお話です。
実際に医療機関で支払う金額には
・診察料
・検査料・判断料
・在宅自己注射指導管理料
なども含まれます。
参照ブログ
そのため、
窓口で支払う金額全体が25%安くなるわけではありません。
薬剤費の占める割合も大きいため、
継続治療では年間数万円の負担軽減になる方もいます。
値下げされたからマンジャロへ変更した方がいい?
薬価が下がったことは、
患者さんにとって大きなメリットです。
一方で、
糖尿病治療では
✔ HbA1c
✔ 肥満の有無
✔ 低血糖リスク
✔ 合併症
✔ 副作用
などを考慮して治療薬を選択する必要があります。
「安くなったから変更する」
ではなく、
自分に合った治療薬を選ぶことが大切です。
まとめ
2026年8月1日から、
マンジャロは約25%薬価が引き下げられました。
特に高用量を使用している患者さんでは、
年間数万円の自己負担軽減となる可能性があります。
また、
薬価改定後はオゼンピック1mgとの薬剤費の差も小さくなり、
以前より治療の選択肢として検討しやすくなりました。
マンジャロによる治療をご検討中の方や、
現在治療中で医療費が気になる方は、お気軽にご相談ください。
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【クリニック情報】
- クリニック名: 沼口内科江古田駅北口糖尿病クリニック
- 住所: 東京都練馬区小竹町1-36-5 1階 [アクセス]
- 最寄り駅: 西武池袋線「江古田駅」北口 徒歩約4分
- 院長: 沼口隆太郎(糖尿病専門医・認定内科医)
- 診療内容: 内科・糖尿病・生活習慣病・発熱・抗体検査(自費)/ワクチン(自費)・健康診断(自費)/診断書(自費)
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Q&A(よくあるご質問)
Q. マンジャロは本当に25%安くなりましたか?
A. はい。2026年8月1日の薬価改定により、マンジャロは約25%薬価が引き下げられました。患者さんの自己負担額も、負担割合に応じて軽減されます。Q. マンジャロ10㎎では3割負担で月いくら安くなりますか?
A.3割負担では1か月(4回分)約2,309円の負担軽減となります。Q. マンジャロ10㎎では3割負担で年間いくら安くなりますか?
A.3割負担では1年間(52回分)で約30,014円の負担軽減となります。Q. マンジャロはオゼンピックより効果がありますか?
A. SURPASS-2試験では、マンジャロはオゼンピック1mgと比較して、HbA1cの改善と体重減少の両方で優れた結果が報告されています。
ただし、薬の選択は効果だけでなく、副作用や生活スタイルも考慮して決定します。
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参考文献
- Frias JP, et al. Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2021;385:503-515.
- 日本糖尿病学会 糖尿病診療ガイドライン 2024
- 厚生労働省 2026年8月薬価基準収載品一覧
