インスリンになったら一生?やめられる人・やめられない人の違いを糖尿病専門医が解説
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インスリンは一度始めたらやめられない?糖尿病専門医が中止できる人・できない人を解説

[2026.07.28]

先生、インスリンになったら一生ですか?

 

外来で多い質問の一つです。

結論から言うと、

 

実は、2型糖尿病で一時的にインスリンを使用し、その後やめられる方もいらっしゃいます。

 

血糖改善に伴いインスリンを中止できる方はいますが

一方で、やめられない方もいます。

重要なのは

インスリンを使っていること

ではなく、

なぜインスリンが必要なのか

です。

病状によってはインスリンがやめられる方もいます。

インスリンを中止できる人・できない人の違いを解説します。

インスリンとは?

インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンです。

食事をすると血糖値が上がり、膵臓からインスリンが分泌されます。

インスリンが血液中のブドウ糖を筋肉や脂肪、肝臓へ取り込み、血糖値を正常に保つ働きをします。

糖尿病になると、

  • インスリンが十分に作れなくなる
  • インスリンの効きが悪くなる(インスリン抵抗性)

ことで血糖値が高くなります。

そのため、インスリン治療は不足しているインスリンを補い、血糖値を改善するための治療です。

約100年、多くの患者さんを救ってきた薬

インスリンは1921年に発見され、約100年にわたり世界中で多くの糖尿病患者さんの命を救ってきました。

この発見は医学史上の大きな功績とされ、インスリンに関する研究ではこれまでに複数のノーベル賞が授与されています。

また、現在では注射器や注射針も大きく進歩し、髪の毛ほどの細さの針が使われるようになりました。以前と比べて痛みは少なく、ペン型製剤の普及により自宅でも簡単に管理できるようになっています。

 

  インスリンは「最後の薬」でも「やめられない薬」でもありません💡

 

糖尿病の状態によっては、一時的にインスリンを使用して膵臓を休ませることで、その後に減量や中止できる方もいます。

インスリンが必要になる理由

インスリンが必要な理由は大きく分けて2つあります。

① 自分の膵臓からインスリンがほとんど出なくなっている

② 一時的に血糖値を下げる必要がある

この違いが最も重要です。

① 自分のインスリンが出なくなっている場合

この場合は

インスリンを中止できないことがあります。

代表例

・1型糖尿病

・膵臓の病気

・膵切除後

・長期間の糖尿病でインスリン分泌能が著しく低下した場合

自分で十分なインスリンが作れないため、

外から補う必要があります。

② 一時的にインスリンが必要な場合

2型糖尿病では

一時的にインスリンを使用することがあります。

例えば

・HbA1cが非常に高い

・著しい高血糖(糖毒性)

・ケトーシス

・感染症

・手術前後

・ステロイド治療

などです。

高血糖が続いて膵臓が疲れ切ってインスリンが出ない状態(糖毒性)で、

インスリンを使い

血糖値を一度しっかり改善させることで、

膵臓の働きが回復し

インスリンを中止できる場合があります。

糖尿病専門医は何を見ている?

実は

「インスリンを使っているか」

ではなく、

次のような点を総合的に判断しています。

① 1型糖尿病ではないか

自己抗体

発症経過

年齢

体型

などを参考にします。

② インスリン分泌は残っているか

Cペプチドなどを測定し、

膵臓からインスリンがどれくらい出ているか確認します。

③ なぜインスリンが必要なのか

ケトン体が陽性なのか

糖毒性なのか

感染症なのか

妊活・妊娠・授乳中なのか

長期間の糖尿病なのか

原因によって治療方針は変わります。

④ 他の薬へ変更できるか

最近では

・GLP-1受容体作動薬

・GIP/GLP-1受容体作動薬(マンジャロ®など)

の併用や切り替えなど選択肢が増えています。

血糖コントロールが改善し

糖毒性が解除され、

体重減少が進めば、

インスリンを減量・中止し、

これらの薬へ切り替えられる方もいます。

専門医が見るポイント 内容
糖尿病のタイプ 1型・2型
インスリン分泌 Cペプチド
一時的な高血糖か 糖毒性・感染
他剤へ変更可能か GLP-1など

 

私の経験では、インスリン量が少ない方ほど中止できるケースが多い印象です。

ただし、注射量だけで判断できるものではありません。

インスリンを減らせる人の特徴

✔ 2型糖尿病

✔ インスリン分泌が保たれている

✔ 食事療法が安定している

✔ 運動療法をしている

✔ 体重が減少した

✔ 糖毒性が改善した

インスリンを続ける方がよい場合

✔ 1型糖尿病

✔ インスリン分泌がほとんどない

✔ 他剤では血糖コントロールが困難

✔ 妊娠中などインスリンが最も安全な治療となる場合

糖尿病専門医から伝えたいこと

インスリンを使うことは「ゴール」でも「失敗」でもありません。

血糖値を改善し、合併症を防ぐための治療の一つです。

大切なのは、

「一生続けるかどうか」ではなく、

現在の自分に最も適した治療を選ぶことです。

糖尿病のタイプやインスリン分泌、生活習慣、合併症などを総合的に評価することで、インスリンの減量や他の治療への切り替えが可能か判断できます。

インスリンを自己判断でやめてもいい?

答えはおすすめできません。

急に中止すると血糖値が大きく悪化し、糖尿病ケトアシドーシスや高血糖による命にかかわる体調悪化につながることがあります。

「やめられるかどうか」は糖尿病の種類やインスリン分泌、現在の血糖コントロールを確認したうえで判断します。

まずは主治医へ相談しましょう。

インスリンを徐々に減らして中止するパターンと

他の内服薬を併用しながら中止するパターンなどあります。

インスリン中止できるかのご相談も可能です。

【クリニック情報】

ご予約はこちら|練馬区でインスリンについて相談・受診をするなら

▶︎ お電話でのご予約: [03-5926-4553
▶︎ ネット予約: [ご希望の診療科をクリックして予約してください]
▶︎ 診療時間・休診日: [リンク]

Q&A

Q. インスリンは一生続けますか?
A. 一生必要な方もいますが、2型糖尿病では血糖値の改善により減量・中止できる方もいます。

Q. インスリンをやめられる人の特徴は?
A. 2型糖尿病でインスリン分泌が保たれ、糖毒性の改善や体重減少が得られた方では中止できる場合があります。

Q. インスリンは最後の治療ですか?
A. いいえ。血糖値を改善するための治療の一つであり、一時的に使用することも少なくありません。

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