睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?問診票でリスクチェック!糖尿病専門医が解説
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
いびきがうるさいと言われる
寝ている間に呼吸が止まっていると言われた
しっかり寝ているのに熟睡感がなく、日中に眠たい
このような症状はありませんか?
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
最も多い閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)では、睡眠中に上気道が狭くなることで、
いびき
↓
無呼吸・低呼吸
↓
血液中の酸素が低下
↓
脳が一時的に覚醒
↓
再び眠る
という状態を繰り返します。
そのため、長時間寝ていても十分な睡眠がとれていないことがあります。
SASは単なる「いびきの病気」ではなく、高血圧や糖尿病などの生活習慣病とも深く関連しています。
今回は睡眠時無呼吸症候群について糖尿病専門医が解説します。
こんな症状がある方は要注意
SASでは、
-
大きないびき
-
睡眠中の無呼吸を指摘される
-
夜中に何度も目が覚める
-
夜間に何度もトイレへ行く
-
朝起きても疲れが取れない
-
朝の頭痛
-
日中の強い眠気
-
集中力の低下
などがみられます。
肥満は重要なリスクですが、太っていない方でもSASになることがあります。
顎が小さい、首周りが太いなど、気道の形も関係します。
問診票でSASのリスクを確認してみましょう
睡眠時無呼吸症候群(SAS)かどうかの問診表をご紹介します。
SASのスクリーニングには、
日中の眠気を評価する
- ESS(Epworth Sleepiness Scale)
OSAのリスクを評価する
- STOP-Bang質問票
などがあります。
ESS(エプワース眠気尺度)で日中の眠気をチェック
ESS(Epworth Sleepiness Scale:エプワース眠気尺度)は、日中の眠気の程度を確認するための質問票です。
最近の生活で、次のような状況になったときに「うとうとしたり、眠ってしまう可能性」がどのくらいあるかを選んでください。
0点:眠ってしまうことはない
1点:時に眠ってしまう
2点:しばしば眠ってしまう
3点:だいたいいつも眠ってしまう
8つの質問
1.座って読書をしているとき
【0・1・2・3点】2.テレビを見ているとき
【0・1・2・3点】3.会議や劇場など、人が大勢いる場所で座っているとき
【0・1・2・3点】4.他の人が運転する車に、休憩なしで1時間以上乗っているとき
【0・1・2・3点】5.午後に横になって休憩しているとき
【0・1・2・3点】6.座って人と話しているとき
【0・1・2・3点】7.飲酒せずに昼食をとったあと、静かに座っているとき
【0・1・2・3点】8.自分で車を運転していて、渋滞や信号などで数分間止まっているとき
【0・1・2・3点】
8項目の点数を合計します。合計:0~24点
STOP-Bangテストで睡眠時無呼吸症候群のリスクをチェック
STOP-Bangテストは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、特に閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)のリスクを確認するための質問票です。
次の8項目について「はい」「いいえ」で答えてください。
8つの質問
1.いびき(Snoring)
大きないびきをかきますか?(話し声よりも大きないびき、または閉めた扉越しに聞こえる程度)【はい・いいえ】
2.疲労(Tired)
日中にしばしば疲労感や倦怠感、眠気を感じますか?【はい・いいえ】
3.無呼吸の目撃(Observation)
他の人から、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがありますか?【はい・いいえ】
4.血圧(Blood pressure)
高血圧がありますか? または現在、高血圧の治療を受けていますか?【はい・いいえ】
5.BMI(Body mass index)
BMIが35 kg/m²以上ですか?【はい・いいえ】
6.年齢(Age)
50歳以上ですか?【はい・いいえ】
7.首周囲径(Neck circumference)
首の周囲径が40cm以上ですか?【はい・いいえ】
8.性別(Gender)
男性ですか?【はい・いいえ】
結果を確認しましょう
ESSの結果
0~10点:正常範囲
日中の眠気は強くないと考えられます。ただし、ESSが低くても睡眠時無呼吸症候群(SAS)がないとは限りません。
11~15点:日中の眠気が強い可能性があります
日中の眠気がみられる状態です。十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず眠気が続く場合や、いびき・無呼吸の指摘がある場合には、睡眠障害について一度相談してみましょう。
16~24点:日中の眠気がかなり強い状態です
強い眠気が認められます。日常生活への影響がある場合や、運転中にも眠気を感じる場合には特に注意が必要です。睡眠時無呼吸症候群など、眠気の原因となる病気がないか確認することをおすすめします。
11点以上なら一度ご相談を
STOP-Bangテストの結果
合計3点以上の場合、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)のハイリスクと評価されます。
以上より、
ESSが11点以上
STOP-Bangテストが3点以上
大きないびきがある
睡眠中の無呼吸を指摘された
高血圧・糖尿病・肥満などがある
場合はSASが疑われるためまずは簡易睡眠検査をおすすめします。
いびきや睡眠中の無呼吸を指摘されている方、高血圧・糖尿病・肥満などがある方では、
問診の点数が高くなくてもSASが隠れていることがあります。
簡易PSG(終夜睡眠ポリグラフ検査)検査について
SASの診断のためには睡眠検査を行います。
PSGとは脳波や呼吸状態、心拍など、睡眠中の身体の様々な生理的変化を一晩中記録し、
睡眠の質や睡眠障害の有無を客観的に調べるための機械です。
当院ではSimon.J(サイモン・ジェイ)という機器を用いて簡易検査を行います。
小池メディカルより
この機器でAHIという指数を測定します。
AHIとは
睡眠1時間あたりに「無呼吸(10秒以上息が止まる状態)」と「低呼吸(呼吸が浅く弱くなる状態)」が合計で何回発生したかを示す数値です。
- 正常範囲: 1時間あたり 5回未満
- 軽症: 1時間あたり 5〜15回未満
- 中等症: 1時間あたり 15〜30回未満
- 重症: 1時間あたり 30回以上
検査の結果、AHI(無呼吸・低呼吸指数)が30回以上でCPAP(持続陽圧呼吸療法)による治療をご提案いたします。
精密PSGについて
簡易検査でAHIが30未満ではあるが、睡眠時無呼吸症候群が否定できない方はPSGでの精密検査を推奨いたします。
精密PSGではAHI 15以上でCPAPの適応となります。
検査の段取り
①当院受診され、日々の症状やESS問診などから睡眠時無呼吸症候群を疑う方には簡易検査をご提案します。
②当院から小池メディカル社へ患者様情報をFAXします。
③小池メディカル社からご自宅へSimon Jが郵送されます。
④ご自身で装着され1週間以内に小池メディカル社へ返送します。
⑤小池メディカル社からデータが当院へ届きます。
⑥受診日から約1か月後に結果説明を行い、検査結果次第でCPAP導入を検討いたします。
CPAPとは?
CPAP(シーパップ)は、睡眠時無呼吸症候群の代表的な治療法です。
寝るときに鼻や口にマスクを装着し、機械から空気を送り込みます。
空気の力で睡眠中に狭くなる気道を広げ、無呼吸や低呼吸を防ぎます。
治療によって、いびきや日中の眠気などの改善が期待できます。
当院では小池メディカルのCPAPを使用していただきます。
治療開始後も、CPAPの使用時間、治療中のAHI、空気漏れ、症状などを確認しながら継続して管理します。
簡易睡眠検査・CPAPの費用
SASが疑われ、医師が必要と判断した検査・治療には健康保険が適用されます。
簡易睡眠検査(簡易PSG)1回のみ
3割負担:約2,700円
CPAP治療
3割負担:月約4,000円
※上記は検査・CPAP管理にかかる費用の目安です。別途、初診料・再診料やその他の検査費用などがかかります。
※診察料などにより実際の窓口負担額は異なる場合があります。
糖尿病の方ではSASが多い
糖尿病とSASには強い関連があります。
2021年のレビューでは、2型糖尿病患者におけるOSAの合併頻度は、研究によって55~86%と報告されています。(*1)
さらに2025年の35研究をまとめたメタ解析では、
OSA患者に糖尿病が合併する可能性は2.29倍
糖尿病患者にOSAが合併する可能性は2.12倍
と、両者に双方向の関連が認められました。(*2)
これは「OSAになると糖尿病を2.29倍発症する」という意味ではなく、両者が高頻度に合併することを示すデータです。
特に、
糖尿病+肥満
糖尿病+高血圧
糖尿病+いびき
糖尿病+日中の眠気
がある方では、一度SASについて確認してみてもよいでしょう。
いびきや日中の眠気が気になる方へ
睡眠時無呼吸症候群は「いびきがうるさいだけの病気」ではありません。
特に、
「家族から呼吸が止まっていると言われた」
「毎晩いびきをかく」
「十分寝ても昼間眠い」
「夜中に何度も目が覚める」
「糖尿病や高血圧があり、いびきもある」
という方は、一度検査を検討してみてもよいでしょう。
参考文献
1)Schipper SBJ, et al. Sleep disorders in people with type 2 diabetes and associated health outcomes: a review of the literature. Diabetologia. 2021;64:2367-2377.
2)Huang H, Chen Z. Association between obstructive sleep apnea syndrome and type 1/type 2 diabetes mellitus: A systematic review and meta-analysis. J Diabetes Investig. 2025.
3)日本呼吸器学会.睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020.
当院では、自宅で行える簡易睡眠検査からCPAP治療・継続管理まで対応しています。
気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
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【クリニック情報】
- クリニック名: 沼口内科江古田駅北口糖尿病クリニック
- 住所: 東京都練馬区小竹町1-36-5 1階 [アクセス]
- アクセス:
西武池袋線「江古田駅」北口 徒歩約4分
都営大江戸線「新江古田駅」徒歩約10分
東京メトロ有楽町線・副都心線「小竹向原駅」徒歩約10分
東京メトロ有楽町線・副都心線「千川駅」徒歩約15分 - 院長: 沼口隆太郎(糖尿病専門医・認定内科医)
- 診療内容: 内科・糖尿病・生活習慣病・発熱・抗体検査(自費)/ワクチン(自費)・健康診断(自費)/診断書(自費)
ご予約はこちら|江古田、千川・小竹向原で内科の診察を受けるなら
当院は練馬区江古田だけでなく、
新江古田・小竹向原・千川周辺や、豊島区西部・池袋方面からも通院しやすい立地です。
糖尿病専門医による診療をご希望の方や、
健康診断で異常を指摘された方、
生活習慣病について相談したい方はお気軽にご相談ください。
▶︎ お電話でのご予約: [03-5926-4553】
▶︎ ネット予約: [ご希望の診療科をクリックして予約してください]
▶︎ 診療時間・休診日: [リンク]

Q&A(よくあるご質問)
Q. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)はどんな症状がありますか?
A. 大きないびき、睡眠中の無呼吸、日中の眠気、熟睡感がない、朝の頭痛、夜間頻尿などが代表的です。自覚症状が少ないこともあり、家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と指摘されて受診する方もいます。Q. いびきがあるだけでも睡眠時無呼吸症候群の検査を受けた方がよいですか?
A. いびきだけでSASとは限りませんが、大きないびきが続く、無呼吸を指摘される、日中の眠気がある場合などは検査を検討します。高血圧・糖尿病・肥満がある方もSASを合併していることがあるため注意が必要です。Q. 睡眠時無呼吸症候群の検査は自宅でできますか?
A. はい。SASが疑われる場合、まず自宅で簡易睡眠検査を行うことができます。睡眠中の呼吸状態や酸素飽和度などを測定し、AHI(無呼吸低呼吸指数)などからSASの可能性を評価します。Q. AHIとは何ですか?
A. AHIは、睡眠1時間あたりに無呼吸と低呼吸が何回起こったかを示す指標です。一般的に5回未満は正常範囲、5~15回未満は軽症、15~30回未満は中等症、30回以上は重症の目安となります。Q. 簡易睡眠検査でAHIが30未満ならSASではないのでしょうか?
A. いいえ。簡易検査でAHIが30未満でも、症状や検査結果からSASが疑われる場合があります。その場合は、脳波なども測定する精密PSGを行い、より詳しく評価することがあります。Q. CPAPとはどのような治療ですか?
A. CPAP(シーパップ)は、睡眠中に鼻や口にマスクを装着し、機械から空気を送り込む治療です。空気の力で狭くなる気道を広げ、無呼吸や低呼吸を防ぎます。治療開始後も使用時間やAHI、空気漏れなどを確認しながら継続して管理します。Q. 睡眠時無呼吸症候群の検査やCPAPには健康保険が使えますか?
A. SASが疑われ、医師が必要と判断した検査や治療には健康保険が適用されます。当院の場合、簡易睡眠検査は3割負担で約2,700円、CPAP治療は月約4,000円が目安です。別途、診察料やその他の検査費用などがかかります。Q. 糖尿病があると睡眠時無呼吸症候群になりやすいですか?
A. 糖尿病とSASには強い関連があります。2型糖尿病患者ではOSAの合併が多いことが報告されており、特に肥満、高血圧、いびき、日中の眠気などもある方では、一度SASについて確認することをおすすめします。
