血糖値100って大丈夫?練馬駅マルシェで街ゆく約30人の血糖値を測ってきた結果!
9月13日(日)、練馬駅前商店街で開催されたマルシェに参加てきました。
当院もブースを出し、道行く方々へ血糖測定と健康相談を行いました。
当日は約30名の方に血糖測定を体験していただきました。
今回の血糖測定は、その場で糖尿病を診断するためのものではありません。
実際に自分の血糖値を測ってみることで、健康について少し考えるきっかけにしてもらうこと。
そして、普段なら「病院で聞くほどでもないかな」と思ってしまうようなことも、気軽に医師へ相談してもらうこと。
そんな機会になればと考えて参加しました。
実際に血糖値を測りながらお話ししてみると、食事、体重、家族歴、妊娠糖尿病、血糖スパイク、睡眠、コレステロールなど、いろいろな話題が出てきました。
今回は、マルシェで実際に聞いた「お声」をいくつかご紹介します。
「血糖値100って高いんですか?」
今回測定してみると、血糖値100mg/dL前後の方が多くみられました。
結果を見て、
100って高いんですか?
これって糖尿病なんですか?
という質問も何度かいただきました。
マルシェを行ったのは16時ごろ。「さっきホットドッグを食べました」という方もいれば、
昼食から4時間ほど経っている方もいました。
血糖値を見るときには、数字だけではなく「食事からどのくらい時間が経っているか」も大切です。
食事をすると血糖値は上昇し、その後徐々に下がっていきます。
そのため、同じ100mg/dLでも、空腹時なのか食後なのかによって意味が変わります。
「食後だから血糖値高いんじゃないかな」と思っている方も多くいましたが、
実際には食後でも100mg/dL前後の方が何人もいました。
ただし、今回100mg/dL前後だったからといって、それだけで「糖尿病ではない」と判断することはできません。
現段階で急いで受診する必要はありませんが、
心配であればHbA1cと血糖値を同時に測定することや
糖負荷試験をすることで糖尿病かどうかは調べることができます。
江古田先生
ちなみに私も久しぶりに測定してみたところ、食後約5時間で101mg/dLでした。
「親が糖尿病。でも3年間健診を受けていません」
50代の女性からは、こんなお話がありました。
親御さんが糖尿病とのことでしたが、ご本人は3年間健康診断を受けていないとのこと。
測定してみると血糖値はやや高めでした。
糖尿病は生活習慣だけでなく、家族歴も重要なリスクの一つです。
ご家族に一人でも糖尿病の方がいる場合は、年齢を重ねるごとに糖尿病が発症する可能性が高まります。
糖尿病の初期症状はほとんどありません。
そのため早期発見・早期予防介入のためには定期的な健康診断を受ける必要があります。
江古田先生
血糖測定はあくまでもきっかけですが、少しお話を聞くことで、
「一度きちんと検査してみた方がいいですね」とお伝えできることもあります。
「20kg太ったから、糖尿病になっていると思います」
20代の男性から聞かれた言葉です。
体重が20kg増えたため、糖尿病になっているのではないかと心配されていました。
今回の血糖値は正常範囲でした。
体重増加や肥満は2型糖尿病のリスクになりますが、「体重増加=糖尿病」ではありません。
一方で、今回たまたま測った血糖値が正常だったから、糖尿病でないとは言い切れません。
20歳の体重から10㎏以上増えた場合は、要注意です。
江古田先生
今回の測定が、体重や食事、運動などについて改めて考えてみるきっかけになればと思います。
「妊娠糖尿病と言われてから、食事と運動に気をつけています」
50代の女性からは、以前、妊娠糖尿病と診断されたというお話がありました。
それ以来、食事や運動などを意識して生活しているとのこと。
今回の血糖値は正常範囲でした。
妊娠糖尿病を経験した女性は、出産後に血糖値が正常に戻っても、将来的に2型糖尿病を発症するリスクが高いことが知られています。
また女性は40~50代で閉経に伴いホルモンバランスが変化し、50代から糖尿病が増えてきます。
令和6年 厚生労働省 国民健康・栄養調査結果の概要
江古田先生
妊娠中だけの出来事として終わらせず、その後も自分の健康を意識しているというお話が印象に残りました。
「血糖スパイクって、どうやって測るんですか?」
血糖スパイクと睡眠の関係についての質問もありました。
日中の眠気の原因に血糖スパイクがあるのではないかと心配される方も数人いらっしゃいました。
実際、血糖スパイクそのものが眠気を誘発するかはわかりません。
自身の経験では血糖乱高下を繰り返す患者さんが眠気とたたかっているところを見たことがないですし、
夜寝られない患者さんへ血糖を上げるという処置も行うことはありません。
しかし食後の眠気の裏に血糖スパイクが隠れていることもあります。
健康診断などで測る1回の血糖値だけでは、食後に血糖値がどのように変化しているのかまでは分かりません。
食後の血糖変化を詳しく調べる方法としては、75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)や、血糖の変化を連続的に見るCGM(リブレ2などの持続血糖測定)などがあります。
血糖値は「1回測った数字」だけではなく、どのように変化しているのかを見る方法もあるということをお話ししました。
江古田先生
当院ではリブレ2を用いた14日間血糖ドックを行っています。
14日間血糖ドック(自費検査)はじめます
「夜食って食べたらダメですか?」
こちらも、とても日常的に多いご質問です。
夜食については、単純に「食べたらダメ」と決めるのではなく、
何時に、何を、どのくらい食べるのか、そして普段の生活や体重、血糖状態などによって考える必要があります。
その方は、血糖は問題なく、運動もされており筋肉質で肥満はなさそうでした。
お腹は少しでてきていることが心配とのことでした。
夜食は食べないに越したことはなく、夕食後遅かったり不規則な食生活では
体重が増えやすく、ダイエットもうまくいかないなどのリスクがあります。
江古田先生
夜食を食べるなら血糖値の上がりにくいものや炭水化物・脂質が少ないものを選びましょう。
「コレステロールが高いと言われています」
血糖値は問題ありませんでしたが、以前からコレステロールが高いと言われていることが気になっているとご相談をうけました。
コレステロールが高いのを放置すると動脈硬化が進行し、
心筋梗塞や脳梗塞のリスクとなります。
そのため年齢や性別、家族歴、心血管疾患の既往、高血圧症や糖尿病などの合併症などからリスクを考慮し
コレステロールの目標値を定めます。
豚肉牛肉のあぶらや、揚げ物を減らすこと、加工肉の特にベーコンはよくないと伝えると
「知らなかった!」などの声もありました。
江古田先生
「健康診断でこんなことを言われたんだけど……」
そんな些細なことでも医師に直接聞いてもらえることは、マルシェで健康相談をする良さの一つだと感じました。
「血糖値ってなーに?」
ブースには、1型糖尿病の多様性を表現したバービー人形も展示しました。
バービーに気づいて、足を止めて見てくれるお子さんもいました。
そしてブースの近くを歩いていた小さなお子さんが、お父さんに、
血糖値ってなーに?
と聞いている場面もありました。
えっと・・・食べると体にふえてくるものだよ・・・
お父さんはとっさに説明していましたが
いざ子どもから「何?」と聞かれると、意外と説明するのは難しいものです。
簡単にいえば、
血糖値とは血液の中にあるブドウ糖の濃度を表したものです。
食事から得られたブドウ糖は血液によって全身へ運ばれ、私たちが活動するためのエネルギーとして使われます。
しかし慢性的に高血糖が続いてしまうと、糖が毒となり、全身の血管合併症などを引き起こしてしまいます。
糖尿病の人だけに関係する数字ではなく、誰の体の中でも血糖値は日々変化しています。
「血糖値ってなーに?」
今回聞いた中で、一番シンプルな質問でしたが、健康について知る最初の一歩は、案外こういうところからなのかもしれません。
子どもたちも興味を持ってくれた1型糖尿病バービーについては、CGMやインスリンポンプなども表現されていて、とても興味深い人形です。こちらは改めて別の記事で詳しく紹介したいと思います。
血糖測定を、健康を考えるきっかけに
当日のブース
今回、約30名の方に血糖値を測定していただきました。
でも、血糖値を測ること自体がゴールではありません。
測ってみると「この数字って大丈夫?」という疑問が生まれる。
そこから、家族に糖尿病がいること、最近体重が増えたこと、妊娠糖尿病を経験したこと、夜食や睡眠のことなど、いろいろな話につながりました。
そして、必要と考えられる方にはHbA1cなどを含めた再検査や医療機関への受診をおすすめしました。
血糖値を測ることが、自分や家族の健康についてちょっと考えてみる。
あるいは、普段気になっていたことを医師にちょっと聞いてみる。
今回のマルシェが、そんなきっかけになっていたら嬉しく思います。
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【クリニック情報】
- クリニック名: 沼口内科江古田駅北口糖尿病クリニック
- 住所: 東京都練馬区小竹町1-36-5 1階 [アクセス]
- アクセス:
西武池袋線「江古田駅」北口 徒歩約4分
都営大江戸線「新江古田駅」徒歩約10分
東京メトロ有楽町線・副都心線「小竹向原駅」徒歩約10分
東京メトロ有楽町線・副都心線「千川駅」徒歩約15分 - 院長: 沼口隆太郎(糖尿病専門医・認定内科医)
- 診療内容: 内科・糖尿病・生活習慣病・発熱・抗体検査(自費)/ワクチン(自費)・健康診断(自費)/診断書(自費)
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Q&A(よくあるご質問)
Q. 血糖値100mg/dLは高いですか?
A. 測定したタイミングによって意味が変わります。空腹時なのか、食後なのか、食後何時間なのかを一緒に考える必要があります。空腹時血糖値にしては少し高く、食後血糖値にしては高くないです。1回の血糖値だけで糖尿病かどうかを診断することはできず、HbA1cや糖負荷試験で判断します。
