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γ-GTPはいくつまでなら飲酒していい?糖尿病専門医が解説!

[2026.08.08]

 

健康診断で

 

γ-GTPが高いですね

 

と言われたことはありませんか?

 

γGTPが高いのはお酒のせい?

 

肝臓が悪いということ?

 

γGTPが100以下ならお酒を飲んでも大丈夫?

 

という質問をよくいただきます。

実は、

現在の医学では

「γ-GTPが○○以下なら飲酒してもよい」

という基準はありません。

では、

何を目安に飲酒量を考えればよいのでしょうか。

今回は、

ガイドラインや論文をもとに

γ-GTPと飲酒について解説します。

 

γ-GTPとは?

γ-GTP(γ-グルタミルトランスペプチダーゼ)は、

胆道や肝臓に多く存在する酵素です。

肝臓や胆道に負担がかかると血液中へ放出され、上昇するため、

健康診断では肝機能の指標として測定されています。

γ-GTPが高くなる病気は?

γ-GTPが高くなる原因は

・飲酒

・脂肪肝(MASLD)

・胆石

・胆道疾患

・薬剤

・B型肝炎

・C型肝炎

・自己免疫性肝炎

・原発性胆汁性胆管炎(PBC)

など様々です。

つまり、

γ-GTPが高い=お酒だけが原因

ではありません。

今回は、

B型・C型肝炎や脂肪肝、胆道疾患など他の原因は認められず、

アルコール性肝障害によるγ-GTP上昇

としてお話を進めます。

以前は、

禁酒によってγ-GTPが改善することが、

アルコール性肝障害を診断する重要な所見として考えられていました。

現在、日本アルコール医学生物学研究会(JASBRA)の診断基準では、

以下の4項目を総合的に評価して診断します。

・通常5年以上の過剰飲酒(男性60g/日以上)

・禁酒でAST・ALT・γ-GTPが改善

・他疾患を除外

・アルコールが主因と判断

このように、

現在の診断では

「γ-GTPが100以下なら飲酒してよい」

「γ-GTPが300だから禁酒」

というように、

γ-GTPの数字だけで判断する考え方は採用されていません。

むしろ、

飲酒量(純アルコール量)や肝障害の程度を総合的に評価することが重視されています。

γ-GTPはいくつまでなら飲酒していい?

結論から言うと、

医学的に安全と言えるγ-GTPの数値はありません。

外来では

「100以下なら大丈夫」

「200くらいなら飲んでもいい」

という話を耳にすることがあります。

しかし、

現在のガイドラインでは、

γ-GTPの数値だけで飲酒の可否を判断することは推奨されていません。

γ-GTPは

飲酒だけでなく

肥満

脂肪肝

インスリン抵抗性

薬剤

胆道疾患

など様々な要因で変動するためです。

γ-GTPが高いとどうなるの?

γ-GTPは

単にお酒を飲んだ結果上がる数字ではありません。

近年の大規模研究では、

γ-GTPが高い人ほど将来の

✔ 肝疾患

✔ 肝関連死亡

✔ 全死亡

のリスクが高いことが報告されています。

一方で、

γ-GTPが高いこと自体が病気なのではなく、

肝臓に負担がかかっているサイン

として考えることが重要です。

本当に重要なのは飲酒量です

現在、

肝硬変予防で最も重要と考えられているのは

γ-GTPではなく

純アルコール摂取量

です。

500万人以上を対象としたメタ解析では、

純アルコール約25g/日から

肝硬変リスクは上昇し始め、

50g

100g

と飲酒量が増えるほど

リスクも段階的に高くなることが報告されています。

つまり、

肝臓を守るためには

γ-GTPを100以下にすることではなく、

飲酒量そのものを見直すことが重要です。

純アルコール20gはどれくらい?

目安として

お酒 約20gの目安
ビール(5%) 約500mL
日本酒(15%) 約1合(180mL)
ワイン(12%) 約200mL
焼酎(25%) 約100mL
ウイスキー(43%) 約60mL

飲酒量を把握するときは、

「何杯飲んだか」ではなく、

純アルコール量

で考えることが大切です。

休肝日は本当に必要?

昔から

 

週に2日は休肝日を作りましょう

 

と言われてきました。

一方で、

 

1週間のお酒の量が同じなら、毎日少しずつ飲んでも、休肝日を作って飲んでも同じでは?

 

と思われる方もいるかもしれません。

2018年の日本人約10万人を18年以上追跡したJPHC研究では、

同じ飲酒量であっても、

休肝日がない人は、休肝日がある人に比べて

全死亡やがん死亡などのリスクが高い

ことが報告されています。

さらに、2023年のメタ解析では、

総飲酒量が同程度でも、

毎日飲酒する人は、飲まない日がある人より

肝硬変リスクが高いことが示されました

(男性:約1.7倍、女性:約1.6倍)。

つまり現在のエビデンスでは、

  • 1週間の総飲酒量を減らすこと

  • 毎日飲み続けず、休肝日を設けること

の両方が肝臓を守るうえで重要と考えられています。

ただし、休肝日を作ったからといって、その分を1日で大量に飲んでしまえば意味がありません。

「休肝日を作ること」と「飲酒量を減らすこと」は別の話です。

肝臓を守るためには、休肝日を取り入れながら、1週間全体の飲酒量も見直すことが大切です。


参考文献

  • Saito E, et al. Impact of Alcohol Intake and Drinking Patterns on Mortality From All Causes and Major Causes of Death in a Japanese Population. J Epidemiol. 2018;28:140-148.

  • Llamosas-Falcón L, et al. Liver holidays? A meta-analysis of drinking the same amount of alcohol daily or non-daily and the risk for cirrhosis. Drug Alcohol Rev. 2023;42:119-124.

 

まとめ

γ-GTPはいくつまでなら飲酒してよいか、

という明確な基準はありません。

重要なのは

・γ-GTPだけで判断しない

・純アルコール量を減らす

・脂肪肝や肝線維化も評価する

健診で【γ-GTP】が高いと言われた場合は、

単に数字だけを見るのではなく、

飲酒量や生活習慣も含めて総合的に評価することが大切です。

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Q&A(よくあるご質問)

Q:γ-GTPが100以下ならお酒を飲んでも大丈夫ですか?
A:現在のガイドラインでは、γ-GTP100以下なら安全という基準はありません。飲酒量や肝線維化などを総合的に評価することが重要です。


Q:γ-GTPが300でもお酒を飲めますか?
A:γ-GTPの数字だけで飲酒の可否は判断できません。飲酒量や他の肝疾患の有無、肝線維化の程度などを確認した上で判断します。


Q:肝臓を守るためには何を目標にすればよいですか?
A:γ-GTPの数値よりも、純アルコール摂取量を減らすことが重要です。


Q:休肝日は本当に必要ですか?
A:日本人の大規模研究やメタ解析では、同じ飲酒量でも休肝日がある人の方が予後が良いことが報告されています。


Q:γ-GTPが高い原因はお酒だけですか?
A:いいえ。脂肪肝、胆石、胆道疾患、薬剤、B型・C型肝炎など様々な原因があります。

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